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マルチタイムフレーム分析:大きな足で方向、小さな足で位置

日足は上がっているのに1時間足は下がっているときの読み方と、時間足を上から下へ重ねて見る方法です。

📚 チャート分析をはじめから正しく · 29/33· ⏱ 読了目安 3分 ·情報更新 2026-09-23

📋 基本情報

要点
大きな足で流れと価格帯を、小さな足で位置を見る
比率
時間足どうしは4〜6倍離すのがよくある慣例(日足・4時間足・1時間足)
食い違い
大きな足が上昇・小さな足が下落なら、押し目の場合も転換の場合もある
注意
見る時間足が多いほど、望む答えが見つかりやすくなる

時間足ごとにトレンドが違うのは普通のこと

同じ銘柄が日足では上がり、1時間足では下がっていることはよくあります。4時間足1本が1時間足4本をまとめたものであるように、大きな足は小さな足をいくつもまとめて細かな波を消したものだからです(時間足の記事を参照)。大きな足での押し1つが、小さな足では数日がかりの下降トレンドに見えます。マルチタイムフレーム分析はこの違いをなくそうとするものではなく、時間足ごとに違う問いを受け持たせるやり方です。

上から下へ:方向、価格帯、位置

よく使われる順序は、大きな足から小さな足へ下りていくことです。まず最も大きな足で、高値・安値が積み上がっていく向きと移動平均線の傾きを見ます。次の時間足で、直前のスイング高値・安値や支持線・抵抗線のような意味のある価格帯に印をつけます。最後に最も小さな足で、いまの価格がその価格帯に対してどこにあるか、損切りを置ける構造がどこにあるかを見ます。大きな足が「どちら向きの流れの中にいるか」を、小さな足が「いまその流れのどのあたりか」を受け持つわけです。

  • 大きな足(例:日足):流れの向き、移動平均線の傾き
  • 中間の足(例:4時間足):主要な価格帯、直前のスイング
  • 小さな足(例:1時間足):いまの位置、損切りを置く構造

時間足どうしの比率

3つの時間足は、互いに4〜6倍ほど離すのがよくある慣例です。日足と4時間足は6倍、4時間足と1時間足は4倍です。比率が小さすぎると(1時間足と2時間足)2つのチャートがほとんど同じものを見せ、大きすぎると(週足と5分足)間の流れが抜けて2つがつながりません。暗号資産は24時間取引されるので、週足1本は日足7本、日足1本は1時間足24本です。どの組み合わせが合うかはポジションをどれくらいの期間持つつもりかによって違い、決まった答えはありません。

大きな足:流れの向きを見る

図は架空の日足60本です。終値が EMA20(20本の指数移動平均)の上にあり、EMA20 が EMA50 の上にあって、2本とも上がっています。高値と安値も順に切り上がりました。日足では上昇の流れの中にあるとまとめられます。ところが最後の2本は陰線です。日足では長い上昇の中の小さな押しに見えるこの2日間が、次の図の1時間足ではかなり違って見えます。

1時間足の範囲日足EMA20EMA50
例: 日足60本。終値が EMA20 の上、EMA20 が EMA50 の上にあり、どちらも上向きの上昇の流れです。最後の2本(印をつけた所)が、下の図の1時間足48本です。

小さな足:いまの位置を見る

同じ2日間を1時間足48本に広げると、高値と安値が順に切り下がる流れで、価格は1時間足の EMA20 の下にあります。1時間足だけを見れば、下降トレンドと呼べる形です。ここに日足の EMA20 を水平線として写すと、いまの価格が大きな足の基準線のほうへ下りてきている途中だという位置の情報が得られます。大きな足で決めた価格帯を小さな足の上に写しておき、その近くで小さな足の構造がどう変わるかを見るのが、この方法のよくある使い方です。

切り下がる高値日足の境目1時間足EMA20日足EMA20
例: 上の日足の最後の2日間を1時間足で見たものです。高値と安値が順に切り下がる押しで、価格が日足の EMA20(最後の日足が確定した時点の値)のほうへ下りてきています。

食い違うときの2つの解釈

大きな足は上昇、小さな足は下落というとき、よく2通りに読まれます。1つは上昇中の押し目で、小さな足の下落が大きな足の価格帯の近くで止まり、小さな足の高値・安値が再び切り上がる場合です。もう1つはトレンド変化の始まりで、小さな足の下落が続き、大きな足でも直前の安値を終値で割り込む場合です。問題は、その瞬間には2つを区別できないことです。大きな下落も、はじめは小さな足の押しのように始まります。そのため解釈を選ぶことより、どこで間違いを認めるか(例:日足の直前安値を終値で割り込む)をあらかじめ決めておくことに使われる場合もあります。

マルチタイムフレーム・トレンド表のスコア

このサイトのマルチタイムフレーム・トレンド表は、15分足・1時間足・4時間足・日足・週足ごとに、確定した足で3つの条件を見ます。終値が EMA20 の上か、EMA20 が EMA50 の上か、EMA20 が5本前より高いかです。それぞれ +1 か −1 なので、合計は +3・+1・−1・−3 のどれかになります。日足・週足がどちらも上昇なのに15分足・1時間足に下落があれば、「上昇中の押し目」として別に表示します。スコアは移動平均線の位置を要約したもので、いまトレンドがあるかどうかを示すだけであり、この先も続くという意味ではありません。

よくある落とし穴:時間足を増やすほど答えが簡単になる

時間足を5つほど開いておけば、どの瞬間にも上がっている足と下がっている足が混ざっています。すると、すでに心に決めた方向と合う時間足を選んで根拠にしやすくなります。確証バイアスが時間足を渡り歩きながら働くわけです(チャート分析の限界の記事を参照)。これを減らすには、どの時間足をどの役割で見るかをあらかじめ決めておき、途中で変えないという方法が使われます。大きな足ほどシグナルが遅いことも、あわせて覚えておく必要があります。週足のトレンドが変わったと確認されるには週足が何本か確定しなければならないので、そのときにはすでに価格がかなり動いたあとです。

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